シードルとカルヴァドスの違いと味の特徴【モンサンミッシェル名物】

「シードル」と「カルヴァドス」は、どちらもりんごからつくられるお酒です。では、その違いがいったい何なのか、ご存知でしょうか?

シードルとは、りんごの醸造酒です。つまり、りんご果汁を発酵させてつくります。
そしてカルヴァドスは、シードルを蒸留し樽熟成してつくるブランデーのこと。ぶどう(ワイン)を蒸留したものがブランデーになり、りんご(シードル)を蒸留したものがアップルブランデーになります。

では、具体的に何が違うのでしょうか? 今回は、世界遺産「モンサンミッシェル」の名物としても知られるシードルとカルヴァドスの違いについて、ご紹介していきます。

目次

カルヴァドスの特徴とは?

シードルとカルヴァドスの違い01

カルヴァドスは、フランスのノルマンディー地方でつくられています。

アップルブランデーのなかでもカルヴァドスは、フランスのAOC(原産地呼称制度)の認証を受けた特別なもので、りんごの収穫から、蒸留・熟成・ブレンドまで、ノルマンディー地方の決められた3つの地区でおこなうことが義務づけられています。

りんごの新鮮な香りが楽しめる若いものもあれば、30年以上の熟成を経て複雑な香味をともなうもの、ワインのように単一年度の個性があるシングルヴィンテージ品など、さまざまな種類が生産されています。

飲み方もストレートやオン・ザ・ロック、ハイボール、カクテルなど、場面にあわせて多彩なバリエーションを楽しむことができます。

特徴|①香り高い味わい。世界三大ブランデーのひとつ

カルヴァドスは、コニャック、アルマニャックと並ぶ「世界三大ブランデー」のひとつで、りんごの芳醇な香りと濃厚な味わいが特徴です。「ブランデー」と聞くとガツンとした強さをイメージしますが、カルヴァドスはフルーティな甘い口当たりで、さわやかな酸味がふんわりと広がります。

若い熟成品は、カクテルのベースとして使用してもりんごの新鮮な香りが楽しめます。中間のスタンダードレンジは、オン・ザ・ロックで飲みくちをやわらげたり、炭酸水で割ってハイボールにするのもおすすめ。長期熟成品はストレートで、ぜひそのままの風味を味わってみてください。

特徴|②熟生年数によるランクがある

カルヴァドスのランクは、熟成年数によって決まります。もっとも熟成期間が短いものでも2年、長いものだと6年以上におよぶものも。熟成年数が長いほどランクが高く、価格も高価になります。

ほかのブランデーと同様に、カルヴァドスも熟成期間が長くなるにつれてまろやかな印象になります。なかでも6年以上熟成されたものは、アルコールの角が取れて口当たりもよく、上品なコクのある味わいに。

特徴|③世界遺産モンサンミッシェル名物

モンサンミッシェルは、フランスの西海岸、サン・マロ湾に浮かぶ小さな島、およびそこに建っている修道院です。カトリックの巡礼地のひとつで、その幻想的な姿に一度は憧れたことがあるひとも少なくないのではないでしょうか。

シードルやカルヴァドスは、夢の島「モンサンミッシェル」のお土産としても有名なのです。現地に行くのはかんたんではないかもしれませんが、うっとりするような装飾の建築、映画の世界のような街並み、それを取りかこむ美しい海に思いを馳せながら、カルヴァドスを楽しむのも一興ですね。

シードルとは何が違うの?カルヴァドスの条件3つ

シードルとカルヴァドスの違い02

よりカルヴァドスを知るために、さらに詳しく製造のこだわりを見ていきましょう。
今回はシードルとの違いを理解するためにも、「原産地」「原材料」「アルコール度数」の3点から比較していきます。

条件|①原産地はノルマンディー地方の3地区のみ

まずひとつめは原産地です。カルヴァドスが生産されるのは、ノルマンディー地方の「カルヴァドス ペイ・ドージュ」、「カルヴァドス ドンフロンテ」、「カルヴァドスAC(そのほかの地区)」の3地区のみと決められています。

これはりんごの収穫に限った話ではなく、蒸留、熟成、ブレンドまで、すべての工程をこれらの地区でおこなったものだけが「カルヴァドス」を名乗ることができるのです。

条件|②原材料りんごの種類

次に原材料であるりんごについて。こちらもノルマンディー産であればよいというわけではありません。指定されているりんごの品種は48種類です。風味を区別するために「ビター」「ビタースイート」「スイート」「サワー」の4つに分けられます。

これらの風味をバランスよくブレンドして、醸造したものがシードルになり、そのシードルを蒸留したものがカルヴァドスになります。また、りんごだけでは甘みや渋みが強く出すぎてしまうこともあるので、補助として洋梨をブレンドすることも認められています。

条件|③アルコール度数は40度以上

3つ目の違いは、アルコール度数です。

シードルは、度数の低いものから高いものまでさまざまです。しかしカルヴァドスのアルコール度数は、40度以上と高め。

とはいえ飲み方が難しいお酒ということはなく、口当たりのよさや芳醇なりんごの香りから、女性にも人気があります。また、カクテルのベースにしたり、アップルパイなどのお菓子づくりに使ったりするのにもぴったりです。

産地別カルヴァドスの選び方

シードルとカルヴァドスの違い03

カルヴァドスが生産されるのは3地区であることをご紹介しました。では、産地によってどのような違いがあるのでしょうか。好みにあわせて選べるよう、より詳しく見ていきましょう。

産地|①カルヴァドス ペイ・ドージュ

ノルマンディー地方の中央から北東にあるペイ・ドージュ地区は、よりすぐれたカルヴァドスの産地として知られており、世界に誇る有名ブランドのほとんどがこの地区でつくられています。

ペイ・ドージュ」を名乗るための条件はさらに厳しく、

・蒸留時に混合する洋梨の割合は30%以下であること
・単式蒸留器で2回蒸留すること
・最低2年間はオーク樽で熟成すること

など、より細かな規定が設けられています。

ペイ・ドージュ地区はりんご栽培に適した気候で、この土地で生産されたカルヴァドスは高級品と位置づけられています。りんごを多く使用しており、贅沢な味わいを堪能できるカルヴァドスです。

産地|②カルヴァドス ドンフロンテ

ノルマンディー地方の中央南側に位置するドンフロンテ地区は、面積が小さいためカルヴァドスの生産量も少なく、その割合は全体の1%程度です。

ドンフロンテ地区は、りんごと並んで洋梨が多く生産される地域で、ポワレと呼ばれる洋梨のワインを30%以上使用します。また、「3年以上オーク樽で熟成させること」という条件があり、この地区ならではの個性的な味わいが人気です。

産地|③カルヴァドスAC

カルヴァドスACは、上記の2地区以外のノルマンディー地方でつくられたものです。蒸留法に規定はなく、「最低2年間は樽で熟成させること」という条件があるだけ。異なる地域のシードルやポワレを混ぜてつくることも許可されています。

生産地域のなかでもっとも規制がゆるく、価格もお手頃なものが多いので、はじめてカルヴァドスを飲むという方にもおすすめ。伝統に縛られない斬新な味わいを楽しめるカルヴァドスです。

カルヴァドスはシードルの仲間。香り高いアップルブランデーの世界を楽しんで|まとめ

シードルとカルヴァドスの違い05

今回は、シードルの仲間カルヴァドスについてご紹介しました。

ブランデーと聞くとちょっとひるんでしまう、という方こそ、まずアップルブランデーを試してみるのはいかがでしょう。りんごの濃厚な甘さと芳醇な香りをぞんぶんに楽しめる「カルヴァドス」で、贅沢な大人の時間をすごしてみてください。

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シードルとカルヴァドスの違い06

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