シードルとは?度数や種類・味の違いを解説

シードルというと、しゅわしゅわとした泡立ちの甘いお酒をイメージする方が多いかもしれませんが、実はキリッとした辛口のタイプから上品でエレガントな口当たりのものまで、さまざまなタイプがあるのをご存知ですか?

焼きりんごのような香ばしい香り、きめ細やかな泡立ちに、澄んだ黄金色が美しいシードルには、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。

今回は、そんな個性豊かなシードルを知る第1歩として、シードルの歴史や種類・産地ごとの味の違いをご紹介します。

目次

シードルとはどんなお酒?

シードルとは01

仕事終わりの夜は、頑張った自分へのご褒美タイム。晩酌のお供にワインやビールもよいけれど、明日に酔いを残すわけにはいかない……そんな時こそ、スイーツ感覚で手軽に楽しめるシードルがおすすめです。

シードルはもともと海外で流行したお酒ですが、この数年味わいの豊富さやパッケージのキューさから日本でも日常的にシードルを楽しむ人が増えています。

シードルの原材料はりんごだけ

シードルとは02

シードルは、りんごの果汁をアルコール発酵させて作る醸造酒です。完熟したりんごを収穫し、さまざまな種類をブレンドすることで、甘いものからキリッとしたものまで、仕上がりや味わいに違いが生まれます。日本では、生食用のりんごを使用していますが、世界ではシードル専用のりんごを栽培する国も多く存在します。

シードルのボトル1本(750ml)に使用されるりんごの数は、なんと平均4〜5個。りんご100%でつくられたシードルは、グルテンフリーで体への負担も少なく、美容への効果も期待されています。

アルコール度数3〜8%。お酒が苦手な人でも飲みやすい

お酒を嗜む上で見逃せないポイントといえば、アルコール度数。一般的なワインのアルコール度数が平均10%〜15%、ビールが平均5%であるのに対し、シードルのアルコール度数は平均2〜9%と控えめで、お酒が苦手な方からは「シードルならおいしく飲める」という声もあがるほど。

酔いすぎる心配がないため、お仕事終わりの晩酌はもちろん、天気の良い日のランチからアウトドアまで、さまざまなシーンで活躍してくれます。

お料理とのマッチングも楽しんで

シードルとは03

多彩な味や産地の個性が楽しめるシードルは、お料理との相性も抜群。日本では、そば粉でつくられたガレットとの組み合わせが主流ですが、白身魚とポテトをカリッと揚げたフィッシュ&チップス、ムール貝にニンニクとパセリをあわせた蒸し料理など、さまざまな食事とのマリアージュが楽しめます。

揚げ物や餃子など、脂っこさが気になるお料理には、すっきりとした味わいのシールドをあわせるのがおすすめ。洋食・中華・エスニックから和食まで、食事のジャンルにあわせてシードルを選べば、食の楽しみ方はどこまでも広がります。

シードルの歴史と起源

シードルとは04

シードルは、いつどこでつくられるようになったのでしょうか? 

実はシードルの発祥を決定づける資料はいまだに発見されておらず、その起源は今も謎に包まれています。シードルの起源には諸説ありますが、ここではりんごの栽培の広まりに焦点を当てながら、シードルの歴史を紐解いていきましょう。

りんごは世界で最も古い果物

りんごは、世界で最も古くから伝わる果物のひとつ。原産地の天山山脈から中国の遊牧民によって、ヨーロッパに伝えられたと言われており、トルコではなんと8000年前の物と推定される炭化したリンゴが発見されています。

現在最も有力だと考えられているシードルの起源は、紀元前55年のローマ。共和政ローマ末期の政治家ガイウス・カエサルユリウス・カエサルがとある島を侵攻した際に「ヨーロッパ各地を渡り歩いていたケルト民族が小さなりんごを使ってシードルのような飲み物を作っていた」というエピソードがローマ軍のガリア征服に記されています。

圧搾機の登場により「りんごのお酒」が普及

紀元前1世紀中頃、ローマ帝国が誕生するとローマにはさまざまな種類のりんごの木が植えられるようになります。同じ頃、ヨーロッパではオリーブが盛んにつくられ、この実を圧搾するための機会が導入されるようになりました。

こうした社会背景によって、人々は硬いりんごの実を簡単に絞れるようになり、シードルをはじめとした果実のお酒が一層普及したのではないかと考えられています。

シードルにはどんな種類がある?

シードルとは05

少し前までは「発泡性のもの」というイメージが強いシードルでしたが、近年ではりんご以外の果実と混ぜたり、ホップやハーブを漬け込んだりと、あたらしい楽しみ方が広がりつつあります。ここからは、具体的なシードルの種類について確認していきましょう。

シードルの種類|①発泡タイプ

しゅわしゅわときめ細やかな泡が印象的な発泡タイプ。密閉容器の中で発酵させることにより、炭酸水のような仕上がりに。すっきりとシャープな酸味の効いた後味が魅力的です。

シードルの種類|②スティルタイプ

泡のないタイプのシードル。果実をタンクに入れおよそ2〜4週間発酵させる一次発酵、または発酵の段階で生じた炭酸ガスを取り除いてつくられます。別名「りんごワイン」と呼ばれることも。

シードルの種類|③アイスシードル

りんごを枝についたままの状態で、冬の冷たい外気によって凍らせてからつくるシードル。糖度やアルコール度数が高く、ほかのシードルに比べて甘い口当たりが印象的です。

シードルの種類|④フレイバード・シードル

ベリーや洋梨、パッションフルールなどの果実やジンジャーやハーブなどで香りづけをしたシードル。りんごとのかけ合わせで、あらたなおいしさを発見できるかもしれませんね。

国によるシードルの味わいや度数の違い

シードルとは06

記事の前半では、りんごの種類やブレンドの仕方によってシードルの味わいが変わるとお伝えしましたが、実はりんごの種類のほかにも国や産地によって製法や楽しみ方にも違いがあります。

日本では「シードル」という名称が定着していますが、国によっては「ハードサイダー」や「シドラ」など呼び方もさまざま。ここからは、シードルを生産する国の特徴をご紹介しながら、各国の味わいや度数の違いを学んでいきましょう。

甘口から辛口まで「フランス」の「シードル」|アルコール度数:3~5%

19世紀末には、世界最大のりんご栽培面積を誇っていたフランス。現在ではノルマンディ地方ブルターニュ地方が、シードルの2大産地として知られています。

フランスの特長は、古くから続くデフェカシオンと呼ばれる伝統的な製法。りんごを絞った果汁に酵素と塩を加えることによって、りんごに含まれるペクチンという食物繊維が固まり、これをきれいに取り除くことで自然な甘みを活かしたシードルが完成します。

アルコール度数は3~5%と控えめ。甘口から辛口まで幅が広い製造工程で、渋みのあるタイプが多いのも特長的です。

ノルマンディ地方にはシードル街道と呼ばれる醸造所の集まったエリアがあり、シードルと一緒にガレットを楽しめる街のクレープリー(ガレットとクレープをメインとするカフェレストラン)も充実しています。国内では日本と同じくシードルの名称で親しまれています。

辛口で酸味のある「スペイン」の「シードラ」|アルコール度数:4~6%

りんごの名産地として知られるスペイン。現地ではシードラと呼ばれています。有名な産地はスペイン北部にあるアストゥリアスとバスク地方です。中でもアストゥリアスは、シードルの文化が特に盛んで、1人あたりのシードルの消費量は年間50mlにも上るそう。

そんなスペインで親しまれるシードルは、炭酸ガスや糖分を加えない「シードラ・ナトゥラル」と炭酸ガスや糖分を加えた「シードラ・ガシフィカーダ」の2種類。糖分を加えない「シードラ・ナトゥラル」はちょっぴり辛口なので、現地の人々は「エスカンシアール」という頭の高い位置からシードルを注ぐ独自の方法で、アルコールを空気に触れさせ、まろやかな味わいへと仕上げていきます。乳製品系の香りがあり、辛口で酸味のあるものが多いのもスペインの特長です。

酸味や苦味を感じる辛口「イギリス」の「サイダー」|アルコール度数:5~8%

イギリスはヨーロッパ内で、生産量・消費量共に1位を誇るシードル大国。イギリスではサイダーと呼ばれ、コンビニエンスストアやスーパーなど街のいたるところにシードルが並んでいます。

主な産地は、りんごの栽培が盛んな「サマセット州」、良質な水が流れる「ウェールズ」、古くからシードルづくりを牽引してきた「ヘレフォードシャー州」の3つ。イギリスのシードルは辛口のものが多く、酸味や苦味をしっかりと感じたいという方におすすめです。

微炭酸で酸味が強い「ドイツ」の「アップルワイン」|アルコール度数:3~5%

ビール大国というイメージの強いドイツですが、実はりんごの栽培が盛んなフランクフルト周辺のヘッセン州では、アップルワインと呼ばれるシードルが人気を集めています。

イギリスやフランスとは異なり、微炭酸で酸味の強いものが多いほか、ミネラルウォーターや炭酸で割るなど飲み方もさまざまです。寒さが厳しい冬場には、スパイスを加えたホットアップルワインを提供するお店も登場します

スッキリとした喉越し「アメリカ」の「ハードサイダー」|アルコール度数:4~8%

アメリカでは、ノンアルコールのアップルジュースはサイダー一般的なシードルはハードサイダーと呼ばれています。同じ英語圏でもイギリスの「サイダー」とは種類が異なるので、注文の際には要注意。2010年頃にはハードサイダーブームが到来するなど、この数年間でシードルの市場は拡大傾向に。スッキリとした喉越し、辛口テイストがアメリカ流です。

雑味がなく、飲みやすい「日本」の「シードル」|アルコール度数:4~6%

日本のシードルの特長は、生食用種のりんごをそのまま使っていること。果実の良さを活かしたシールドは、シードル界のニューワールドとも呼ばれ、欧米でも高く評価されています。

ドイツのフランクフルトで開催される世界最大級のシードルの見本市「国際シードルメッセ」では、青森県のシードルが2年連続で受賞するなどその品質はお墨付き。

その一方で、りんごを食べる習慣がなくなりつつある日本では、りんご畑も毎年約1%ずつ減少しているとも言われています。そのため近年では「りんご農家さんを助けたい」という熱い思いから、シードルづくりをはじめる人も増えているのだとか。

シードルアンバサダーおすすめ。日本のシードルをご紹介

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お気に入りの食器や雑貨を選ぶように、「シードルも自分にぴったり合う1本を見つけたいけれど、そもそもどんな味が好きなのかわからない」という方も多いはず。

そんな迷えるシードルビギナーさんに、ぜひ飲んでいただきたいのが、おいしい生食用りんごを活かした国産のシードルです。日本のシードルは、フレッシュで雑味のないものが多いため「初めてシードルに挑戦する」というシードルビギナーさんにも、きっとご満足いただけるはずです。

ここからは、シードル専門店の「シードルショップ アルモリカ」で実際に購入できるシードルの中から、おすすめの国産シードルを2つご紹介します。

岩手県 大船渡市「りんご屋まち子のアップルシードル」|アルコール度数:7%

りんご屋まち子のアップルシードル

岩手県陸前高田市の米崎りんごを使用した「りんご屋まち子のアップルシードル」の生産を手掛けるのは「スリーピークス」代表の及川武宏さん。東日本大震災後「故郷である三陸にワイン文化を根付かせたい」という熱い思いから陸前高田市にワイナリーをオープンしました。

樹齢100年に近い米崎りんごの希少な実を使ったシードルは、スキッとした切れのある味わいが印象的。りんごの木をあしらったキュートなデザインは、ホームパーティのお持たせやギフトにも最適です。

青森県 弘前市「テキカカシードル」|アルコール度数:5%

テキカカシードル

摘果の工程で捨てられてしまう未熟なりんごを活かしたい」という「もりやま園」代表森山聡彦さんの思いから生まれたテキカカシードルは、その名の通り摘果作業によって摘み取られた未熟なりんごからつくられたシードル。摘果りんごがもつ渋みや酸味を活かしたシードルは、ビールのような爽快な味わいが持ち味。1本あたり、りんご6個分のポリフェノールを含んだ身体に優しいシードルをお楽しみください。

シードルは、知れば知るほど虜になる不思議なお酒|まとめ

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今回は、個性豊かなシードルを知る第1歩として、シードルの歴史や種類・産地ごとの味の違いをご紹介しました。

りんごの種類や産地によって、異なる味わいが楽しめるシードルは、知れば知るほどその魅力の虜になってしまう不思議なお酒です。

本ブログは国産・外国産シードル100種類以上を取り揃えるシードル専門店の「シードルショップ アルモリカ」が運営しています。

ときにビールのように。そして、ときにワインのように。

シードルがあなたの暮らしに寄り添い、自分らしいスタイルを追求できる新しいインスピレーションソースとなってくれたら、これ以上に嬉しいことはありません。

いつかシードルショップで皆様とお会いできる日を願って。

その時にはぜひ、お酒が飲める人も飲めない人も一緒にシードルで乾杯しましょう!

ビストロ シードルバー アルモリカ
(Bistrot Bar a Cidre Armorica)
住所〒541-0048
大阪府大阪市中央区瓦町4-3-14 御堂アーバンライフ B1F
アクセス大阪メトロ各線「本町駅」2番出口から徒歩2分
営業時間[Lunch]11:30~14:00(L.O.14:00)
[Dinner]18:00~23:00
※平日のガレットの提供は13:00以降で承ります。
定休日曜日・日曜日ディナー
クレジットカード
電子マネー
可(VISA・Master・JCB・AMEX・Diners)
可(Apple Pay・QUICPay・iD・PayPay・LINE Pay・d払い・
Suica・PASMO・ICOCA・manaca等)※エリアにより不可の場合有

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